成長の質や流動性には十分に目配りする必要がある

31日の東京市場で任天堂の株価は一時７％上昇。
市場全体の売買代金ランキングでも首位になり、市場の主役に躍り出た。
起爆剤となったのは家庭用ゲーム機ニンテンドースイッチのヒットだ。
18年３月期の連結売上高は前期比２倍、営業利益は同４倍になる見通しだ。
ＵＢＳ証券の武田純人氏はゲーム会社らしい爆発力のある業績修正とみる。
任天堂 だけではない。
復活した成長企業の代表格のソニー。
31日に18年３月期の連結純利益が前期比5.2倍になる見通しを発表。
31日の米国市場の早朝取引で、ソニーの米預託証券は一時、前日終値から１割程度上昇した。
キーエンスや日本電産など、ほかの成長株にも買いが入りやすくなっている。
海外市場に目をやると、成長株が買われる構図は鮮明だ。
米国では７～９月期決算の発表をきっかけに、アマゾン・ドットコムが前週末に13％高と急騰。
グーグルの持ち株会社、アルファベットの株価も再び1000ドルを突破した。
世界の株式で構成するＭＳＣＩオールカントリー・ワールド指数の採用銘柄のうち、グロース株とバリュー株でそれぞれ構成する指数をみると、昨年後半からの成長株優位の第 １波は今年８月ごろにいったん一服。
その後はバリュー株も底上げされる相場が続いていたが、先週以降、再びグロース株優位が明確だ。
ここへきて成長株物色の第２の波がやってきたかのようにみえるが、持続力はどこまであるのか。
市場では世界的な金融緩和と低金利によるカネ余りと低成長が続く限り、投資マネーが少しでも高い成長を求めて流れ込む構図は変わらないとの声もある。
ただ、成長の質や流動性には十分に目配りする必要がある。
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